多様な働き方に対応する「引き継ぎのDX」事例集

目次

はじめに

テレワークや時短勤務、副業など多様な働き方が当たり前になった今、口頭伝達やExcelだけの引き継ぎではもう限界です。特に異動・産休・退職など、担当者が変わるたびに「どこに何が残っているかわからない」といった混乱は大きな時間ロスを生みます。

こうした属人化や情報断絶を防ぐカギは、引き継ぎのDX(デジタルトランスフォーメーション)です。本記事では、Notion・Slack・Confluenceといったクラウドツールを活用した先進事例を交えて、ナレッジ共有&引き継ぎ設計のポイントを紹介します。


なぜ「クラウド前提の引き継ぎ」が必要か?

  • オフィスにいなくてもナレッジにアクセスできる
  • 異動者や新入社員がすぐに業務キャッチアップできる
  • 情報の「属人化」を防ぎ、組織にノウハウが残る
  • 過去のやり取りや判断の履歴も共有できる

「書類保管庫」や「ローカルPC」に眠るだけのマニュアルでは、せっかく作っても使われません。クラウド前提でナレッジを一元化することで、誰もが“いつでもどこでも引き継げる”状態を作ることができます。


事例① Notionでオープンナレッジを育てる

事例:ITベンチャーA社

  • 異動や育休が多い組織で、引き継ぎマニュアルをNotionに統合
  • 個人フォルダではなく「部署ごとの業務Wiki」として構築
  • 進行中プロジェクトの議事録や決定事項もNotionで管理
  • 後任者は履歴を追うだけで「なぜこうなったか」を把握できる

ポイント

  • ページにコメント機能があるため、後任者の疑問をリアルタイムで解消できる
  • 動画リンクや関連資料も一括で埋め込めるので属人化しない

事例② Slackで「リアルタイム+蓄積」を両立

事例:広告代理店B社

  • テレワーク主体のメンバーが多く、会話がチャット中心
  • 引き継ぎ用の専用チャンネルを作り、現担当と後任が進捗を共有
  • 引き継ぎ後も「何かあればここで質問OK」として運用

ポイント

  • Slack内で重要なやり取りに「ピン留め」や「スレッド」で履歴を残す
  • 過去のQ&Aを検索して自己解決できる文化が育つ

事例③ Confluenceで組織全体のナレッジベース化

事例:製造業C社

  • 工場・海外拠点を含む多拠点チームでConfluenceを導入
  • 社内標準の業務手順書やFAQを全拠点共通で更新できるように設計
  • 「誰が・いつ・何を更新したか」履歴管理も自動化

ポイント

  • ページ単位で承認フローを設定できるので、内容の信頼性が高い
  • 他システムとの連携で、最新の業務フローや組織図を常に反映

引き継ぎDXを定着させるコツ

  1. 検索性を意識する:フォルダではなく「タグ」「ページリンク」を活用し、後任者が迷子にならない構造にする
  2. 口頭で済ませず、議事録も残す:判断理由や例外対応を履歴に残して、後任者が過去を参照できるようにする
  3. 現場の“つい忘れる”を防ぐ:チャットツールで定期的に「進捗どうですか?」を促すボットを活用する企業も増えている

まとめ

属人化しない引き継ぎを実現するには、「マニュアルを作ること」だけではなく、「誰でも見つけられ、誰でも更新できる仕組み」が必要です。Notion、Slack、Confluenceなどのクラウドツールを上手く使い、オープンなナレッジ共有文化を育てることが、これからの多様な働き方に対応する最大のポイントです。

引き継ぎのDXをきっかけに、“人が変わっても止まらない組織”を作っていきましょう!

📌関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

国立大学の経済学部を卒業後、新卒で商社に入社し人事を担当。
その後、人材企業⇛コンサルティングファームにて一貫して人事に関わる業務をする傍らHikitsugi-assistを運営しています。

目次