はじめに
育休前の引き継ぎ資料は、「後任の人に分かりやすく伝えるもの」だと思っていませんか?
もちろんチームや後任が困らないようにするのは大切。でもそれだけじゃなくて、実は“未来の自分を助けるための手紙”として引き継ぎ資料を作ると、復帰後の自分が本当に楽になります。
子どものいる生活、家庭のこと、仕事のこと……不安定になりやすい育休明け。だからこそ、“私が私を助ける”引き継ぎの作り方を、この記事で一緒に考えてみませんか?
「未来の私」も引き継ぎの受け手
育休が半年〜1年以上に及ぶと、業務の細かい流れや判断の勘所は驚くほど頭から抜けていきます。
- どのデータをどこから引っ張っていたか
- どの人に確認を取るべきだったか
- なぜこのやり方にしていたのか
復帰したとき、未来の自分が迷子にならないようにするために、引き継ぎ資料は「他人のためだけじゃない、自分への手紙」として残しておくのが最大のコツです。
私を助ける“3つの手紙メソッド”
ここでは、実際に“やってよかった”と感じる未来の自分を助ける引き継ぎ資料づくりのポイントを3つ紹介します。
1. 「何をしたか」だけでなく「なぜそうしたか」を書く
大事なのは、背景と判断軸です。
例えば、
「請求書は月末にまとめて出す」
とだけ書いてあると、「え? なんで? 週次じゃダメなの?」となってしまいます。
復帰後の私がつまずかないように、
- 取引先の締め日と連動している
- 過去に週次にしてトラブルになった
- 上司との確認ルールを決めてこうした
といった、意思決定の理由をひとこと添えておくと、状況が変わっても「ここだけは変えちゃダメなんだ」と分かります。
2. 「こうなるかも」を先回りしてメモしておく
未来の私は、全てを覚えていません。
だからこそ、「引き継ぎ資料に書き切れなかった例外対応」や「不安ポイント」は、思いつく限り“未来の自分への備忘録”として残しておきましょう。
例えば:
- 「顧客Aの契約はイレギュラーなので、担当Bさんに必ず相談する」
- 「このフローは来期変わるかも。確認先:△△部のCさん」
- 「もし資料が見当たらなければ××フォルダを先に探す」
未来の自分が「ありがとう!」って言いたくなる一言を、残しておくのが小さなコツです。
3. 「自分が戻る前提のマップ」を作る
育休明けに一番混乱するのは、「どこから手をつければいいか分からない」状態。
- どの業務を誰が預かっていて
- どこまで戻す予定か
- 復帰後どの順番で巻き取ればいいか
をまとめた「逆引き継ぎマップ」を一枚作っておくだけで、復帰後の不安がぐっと減ります。
未来の私に手紙を書く感覚で
「この資料を見たら、私は安心できるかな?」
「もし夜中に不安になったときも、このフォルダを見れば思い出せる?」
そんなふうに自分に問いかけながら作ると、引き継ぎ資料は“人のため”だけじゃなく“自分の味方”にもなってくれます。
きれいに作ろうとしすぎない
完璧を目指すと時間が足りなくなりがちです。
だから、
- 多少ラフでも手書きのメモをスキャンして残す
- チャットのやりとりを「備忘録」として保存しておく
- Notionやドライブで自分だけのフォルダを作っておく
など、無理なく残せる形を選んでOK。
まとめ|“未来の私へ、がんばれ!”の気持ちを込めて
育休に入る前は、仕事のこと、家庭のこと、引き継ぎのこと…やることだらけで息切れしそうになります。
だからこそ、未来の自分に小さな手紙をいくつも残しておきましょう。
- 「私はこの時、ちゃんと考えて決めたんだよ」
- 「困ったらここを見てね」
- 「戻ってきて大丈夫、全部準備してあるから」
そうやって未来の自分に寄り添う引き継ぎができれば、戻ってきたときに「私、がんばってくれてたんだな」って、少しだけ誇らしい気持ちになれるはずです。
「育休前の私へ、ありがとう。」
そんな手紙を、今日から少しずつ書いてみませんか?
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