社員のためのリモートワークが退職を招く?孤独による離職を防ぐマネジメントと引き継ぎの工夫

目次

はじめに

リモートワークが一般化した今、働きやすさや柔軟な働き方を実現できる反面、「孤独」「不安」「やりがいの低下」など、見えにくいリスクも増えています。

そのなかでも企業にとって特に大きな課題となるのが、「リモートワークがきっかけで退職を決意してしまう人が出てくる」という点です。顔を合わせる機会が減り、仕事の意義やチームとのつながりを感じられなくなった結果、離職の兆しに誰も気づけず、突然の退職へつながるケースは少なくありません。

従業員のために実施したリモートワークが原因で従業員が退職。こんな悲しいサイクルはすぐ断ちましょう。

本記事では、リモートワークが引き起こす離職の背景と、それを防ぐために現場マネージャーや人事がとるべき具体的なマネジメント施策、さらに、いざという時のための引き継ぎ準備についても解説します。


なぜリモートワークで退職者が増えるのか?

顔を合わせないことで繋がりが薄れる

出社していれば、何気ない会話やランチ、すれ違いざまの一言などが、自然なコミュニケーションとなっていました。しかし、リモートになると、「業務連絡があるときしか話さない」状態になりがちです。

それにより、孤立感や孤独感を感じやすくなり、「自分はここにいていいのか?」「必要とされていないのでは?」という疑念につながっていきます。

会社としてはオンラインMTGの際に動画を必ずONにするといったルールを設けることが有効になります。

評価されている実感が持てない

オンラインのやりとりは、成果物やアウトプットに寄りがちです。頑張っている過程や日々の努力が見えにくくなり、「ちゃんと見てもらえていない」と感じてしまう人も増えます。

こうした状況が続くと、仕事へのやる気が徐々に低下し、モチベーションが崩れ、最終的に離職という選択に至ることもあります。

また、リモートでは「声をかけるタイミングがわからない」と感じる若手社員が多く、結果的に問題を抱え込んだまま、誰にも相談できずに退職してしまうというケースも起こっています。

実際の年次評価でもリモートワークがメインの従業員は評価が上がりにくい傾向にあります。
評価する側もリモートワークをどう評価と切り分けるかは難しい問題になっています。


離職リスクを防ぐためのリモートマネジメントのコツ

定期的な雑談付き1on1を設ける

業務の進捗だけでなく、「最近どう?」といったカジュアルな雑談を含めた1on1を、月2回以上の頻度で設けることが理想です。

とくに新卒・若手メンバー、部署異動直後の人には「声がけしすぎかな」と思うくらいの密度がちょうどよいです。

雑談を含めた会話は、心理的安全性の形成や悩みを吐き出す場として機能します。

「顔の見える」コミュニケーション設計を

カメラOFFの会議ばかりでは、表情も雰囲気も掴めず、空気が読みにくい状態になります。週1回はカメラONの定例MTGを取り入れるなど、顔を合わせる仕組みを整えることが有効です。

Slackのハドルミーティングや、10分だけの朝会など短くてもリアルタイムで会話する習慣があるだけで、孤立感は大きく軽減されます。

評価の粒度を細かくする

リモート下では「評価されていない」「見られていない」と感じやすいため、小さな成果や日常の頑張りも積極的にフィードバックしていく必要があります。

「昨日の対応、良かったよ」「この資料、かなり伝わりやすくなってたね」といった、即時・短いフィードバックを積み重ねていくことで、信頼関係とエンゲージメントが育まれます。

また、Slackなどで「Thanksメッセージ」や「グッドニュース共有」などの文化を醸成するのも効果的です。こうしたちょっとした行動が、メンバー同士の信頼と連携を高め、チームとしての結束力を生み出します。


リモート離職を見越した引き継ぎの仕組みが重要な理由

どれだけ気をつけていても、リモート環境では「本音に気づけないまま辞められてしまう」リスクがつきまといます。

特に突然の退職が起きた場合、出社がないために引き継ぎが十分に行えない状態で辞められることが多いのです。

以下のようなケースが実際に多発しています:

  • 「本人のPC内にしかファイルがなかった」
  • 「誰に何を報告していたのか不明」
  • 「ツール設定が本人依存で誰も触れない」

結果、残されたメンバーの負担が増大し、チーム全体の生産性が大きく低下することになります。


引き継ぎを日常的に仕込む3つの方法

業務の属人化チェックリストを導入する

「この仕事、自分しかやってないかも?」という業務を定期的に洗い出す習慣をつけましょう。

週1回のチームミーティングなどで「属人業務チェック」を行い、透明化されていない業務を見つけてドキュメント化することが重要です。

GoogleドキュメントやNotionで業務の見える化を継続する

リモートワークでは、どこに何があるか分かる状態がとにかく大事です。定型業務、問い合わせ対応、よく使う資料などはすべて一元管理し、誰でも引き継げる状態をキープしておくことで、突然の退職にも対応できます。

引き継ぎ専用ツールを導入する

日常業務の中で「引き継ぎの準備」が自動的に進むような仕組みがあると理想です。

Hikitsugi Assistのように、定型テンプレートと質問フローが用意されているツールを使えば、本人の手間を減らしつつ、情報の抜け漏れを防ぐことが可能です。


まとめ|リモートでもつながる仕組みと備える仕組みを

リモートワークは便利である一方で、見えない不安や孤独が退職を引き起こすことがあります。

それを防ぐためには、「つながりを絶やさない仕組み」と「万が一に備えた引き継ぎの仕組み」をセットで持つことが重要です。

辞められてから慌てるのではなく、日々のコミュニケーションと情報共有を積み重ねておくことで、“辞めたくならない組織”と“辞めても止まらない業務”の両方が実現できます。

リモートだからこそ、「チームで支え合っている実感」と「誰でも引き継げる透明性」の両輪を回していきましょう。

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この記事を書いた人

国立大学の経済学部を卒業後、新卒で商社に入社し人事を担当。
その後、人材企業⇛コンサルティングファームにて一貫して人事に関わる業務をする傍らHikitsugi-assistを運営しています。

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