【職種別引き継ぎマニュアル】通訳・翻訳|クライアント対応・専門用語管理・翻訳品質を維持するために

通訳・翻訳の引き継ぎが適切に行われないと、クライアントとの信頼関係が損なわれたり、訳の統一性が崩れたりする可能性があります。本記事では、クライアント対応・専門用語管理・翻訳品質の引き継ぎポイントを詳しく解説します。

目次

通訳・翻訳の引き継ぎの重要性

✅ クライアントの要望や過去の案件をスムーズに引き継ぐ
✅ 一貫した翻訳・通訳の品質を維持する
✅ 業界特有の専門用語やスタイルを統一する
✅ トラブルを未然に防ぐ
💡 引き継ぎが不十分だと、誤訳や意図のズレが発生し、信頼を失うリスクが高まる!


通訳・翻訳の引き継ぎポイント

【クライアント対応の引き継ぎ】

🔹 クライアントごとの情報整理

  • 主要クライアントの要望、好み、過去のフィードバックをリストアップ
  • コミュニケーションの頻度、連絡手段(メール、チャット、会議など)を明確に
  • 過去の対応履歴や特記事項(クレーム対応、修正履歴)を共有

🔹 スケジュールと納期管理

  • 進行中の案件の締め切りや進捗状況を明記
  • 定期的な業務(例:月次翻訳、年次報告書の翻訳など)がある場合はスケジュールを記載
  • クライアントの繁忙期や特に注意が必要なタイミングを共有

【専門用語・翻訳データの引き継ぎ】

🔹 用語集・スタイルガイドの共有

  • クライアントごとに使用する専門用語集を整理(例:医療通訳では「診断書=Medical Certificate」、法律翻訳では「訴訟=Litigation」、IT関連では「クラウド=Cloud Computing」など)
  • スタイルガイド(フォーマル・カジュアル表現の使い分けなど)を後任者と共有
  • 翻訳メモリ(Trados、memoQ、Smartcatなどのツール)を適切に管理

🔹 過去の翻訳データの管理

  • 主要な翻訳ファイル、参考資料、過去の納品データを整理
  • よくある表現や頻出フレーズの翻訳例をまとめる
  • クライアントの指摘や修正履歴を記録し、再発防止のための情報を残す

【通訳業務の引き継ぎ】

🔹 通訳の注意点

  • クライアントの話し方や好む表現、業界用語を整理
  • 過去の通訳案件の録音データやスクリプトを提供
  • イベント通訳の場合、使用予定の資料やスピーカーのプロフィールを共有

🔹 使用ツール・機材の引き継ぎ

  • 遠隔通訳(Zoom、Webex、Teams)の設定や注意点を共有
  • 通訳ブースや機材の手配方法を記録
  • AI翻訳ツールや音声認識ツール(DeepL、Google翻訳、Sonix など)の活用方法を伝える

NGな引き継ぎ行為|トラブルを防ぐために

❌ 録音データを無断で持ち出す
→ クライアントや企業の機密情報が含まれるため、許可なく持ち出すと情報漏洩のリスクがある。

❌ 専門用語集を不適切に扱う
→ 個人が作成した用語集は持ち出し可能だが、企業が管理する資産(社内用語集・クライアント専用用語集)を持ち出すことはNG。

❌ クライアント情報を十分に伝えずに引き継ぐ
→ 過去のフィードバックやクレーム履歴を共有しないと、同じミスを繰り返すリスクがある。

❌ 用語の統一を怠る
→ クライアントごとに異なる専門用語を統一しないと、翻訳の品質がバラつき、不信感を抱かれる。

❌ 翻訳データや過去の資料を整理せずに退職する
→ 過去のデータが残っていないと、後任者がゼロから作業することになり、効率が大幅に低下する。

❌ 顧客を引き抜く
→ 競業避止義務や不正競争防止法に違反する可能性がある。適切なルールを遵守すること。


通訳・翻訳の引き継ぎチェックリスト

✅ 主要クライアントの対応履歴や要望を整理したか?
✅ 進行中の案件や納期スケジュールを後任者に共有したか?
✅ 用語集・スタイルガイド・翻訳メモリを適切に管理したか?
✅ 通訳業務に必要な機材やツールの使い方を後任者に伝えたか?
✅ クライアントとの関係維持に必要な情報を整理したか?


まとめ|スムーズな引き継ぎで翻訳品質を維持

✔ 通訳・翻訳の引き継ぎは、クライアント対応と品質維持のために不可欠
✔ クライアント情報・用語集・翻訳データを適切に管理し、後任者に明確に伝えることが重要
✔ 後任者がスムーズに業務を引き継げるよう、詳細な引き継ぎ資料を準備する

言葉のプロフェッショナルとして、品質を守るために適切な引き継ぎを行いましょう。

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この記事を書いた人

国立大学の経済学部を卒業後、新卒で商社に入社し人事を担当。
その後、人材企業⇛コンサルティングファームにて一貫して人事に関わる業務をする傍らHikitsugi-assistを運営しています。

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