部下が辞めたがってるかも?退職サインの見抜き方10選とその後の引き継ぎ戦略

目次

はじめに

「突然辞めたいと言われた」「何も兆候がなかったのに退職届が出てきた」――。

このような経験をしたマネージャーや人事担当者は少なくありません。退職は必ずしも突然起こるわけではなく、実はその前にいくつものサインが表れているものです。

本記事では、部下の辞めたいサインを見抜く10の視点と、いざ退職が発生したときに慌てないための引き継ぎ戦略について解説します。社員の本音に気づき、適切に対応することで、離職防止にも、スムーズな組織運営にもつながります。

必ずしも当てはまるわけではないですが、当てはまる数が多いと退職の兆候ありと言えます。


退職を考えている部下が出す辞めたいサイン10選

業務への興味関心が急に薄れた

以前は積極的に意見を出していたのに、最近は「どっちでもいいです」と受け身の態度が目立つようになります。
他部署の案件に興味がある社員が、いきなり興味を持たなくなったことは退職の兆候だと言えます。明確にいまの環境で評価される必要がなくなった状態になります。

雑談やランチなど非業務コミュニケーションが減った

チームとの距離を自ら取りはじめることで、感情の切り離しが進んでいるサインです。出社の場合はわかりやすいのですが、リモートワークの場合この兆候をとらえることは困難です。
普段からコミュニケーションや1on1を心がけることが必要になります。

残業がゼロに近づいた、勤務時間が定時ぴったり

定時で帰ること自体は悪いことではありませんが、「すべてを整理している」兆候である場合もあります。
これまで残業が多かった社員の顔から士気が消え定時退社になったら辞めるサインと言えます。
定時で帰ることの気まずさもどうでもよくなっている社員の心を取り戻す難易度はとてつもなく高いです。

資料や業務フォルダが整理されはじめた

ドキュメントの整理や共有ファイルの命名ルール統一など、妙に整いはじめたと感じたら注意が必要です。
面倒だと言っていたファイルのパスワードロックなどのセキュリティルールなどにも文句を言わなくなる傾向にあります。

有休取得のタイミングが妙に戦略的

週明けや週末を絡めたまとめ取りが増えたときは、面接や転職活動と関係している可能性があります。
平日にスーツを着てネクタイを締めているなど、転職活動に時間を使っている可能性が高いです。

返信が遅く、Slackやチャットが淡白になる

「了解です」「わかりました」など、最低限のレスポンスだけが続く状態は、モチベーション低下の表れかもしれません。
普段からチャットが淡泊な社員についてはわかりにくいですが、「普段と違うな感」は伝わるものです。

1on1で話が浅くなる、個人的な話題を避ける

以前は相談してくれていたのに、最近は「特にありません」と会話を短く終わらせようとする傾向。
質問もしなくなり、「そうですね」で終始する。こんな地獄な1on1は退職の兆候です。

キャリアについての発言が増える

「もっと成長できる場所に行きたい」「今の仕事は少し物足りない」などの発言は、退職を考え始めた兆候です。
今の環境でも苦労はできますが、今の環境で苦労をしても得るものが無いという重いが強くなっていることが想定されます。

チーム内での会話が減る/指示通りにしか動かなくなる

最低限の仕事はこなしているが、自発性が消えている状態は心がもうそこにないサインです。
slackでのリアクションも会議でのコミュニケーションも。好きの反対は無関心です

SNSや転職サイトの利用が増えている気配がある

LinkedInの更新や、リクナビNEXTなどのサービス利用履歴がSlackなどで見えるケースも。
また退職が確定している場合は、その兆候を本人が隠さない傾向にあります。


サインを見抜いた後、マネージャーがとるべき対応

詰問ではなく傾聴のスタンスを持つ

兆候を見つけたときに、「辞めるつもりなの?」とストレートに聞くのはNGです。まずは「最近どう?」という自然な声かけから始め、相手の不安や悩みに耳を傾けましょう。

本人のキャリアビジョンを再確認する

もし退職の可能性がある場合でも、「なぜそう思ったのか」「どうなりたいのか」を整理することで、異動や業務変更で離職を回避できることもあります。

短期のやりがいリカバリを検討する

即効性のあるモチベーション施策(業務アサイン、表彰、リフレッシュ休暇など)を活用し、退職の流れを断ち切る手もあります。


退職が確定した場合の引き継ぎ戦略

引き継ぎは“感情が穏やかなタイミング”で開始

引き止めが失敗した場合でも、まずは感情の整理を優先し、冷静に引き継ぎに向かえる環境を整えましょう。

業務の棚卸しと分類を行う

退職者本人と一緒に「日次/週次/月次の業務」「関係者とのやりとり」「属人的な作業」などに分類して整理し、誰がどの業務を引き継ぐのか割り振っていきます。

引き継ぎ用ドキュメントを残す

Hikitsugi Assistのようなツールを使い、質問形式やテンプレート化されたフォーマットで情報の抜け漏れを防ぎましょう。

残るメンバーへの情報共有とフォロー体制を整える

単に業務だけでなく、「この人が辞めることでどんな心理的影響があるか」にも配慮し、チームとしてのサポート体制もセットで考える必要があります。


まとめ|辞めたいサインに気づき、早めに手を打つ

退職は必ずしも突然起きるものではありません。日々の些細な変化の中に、辞めたいというサインは確実に現れています。

マネージャーや人事がそうした変化を丁寧にキャッチし、適切な対話とサポートを行うことで、退職を未然に防ぐことができますし、仮に防げなかったとしても、引き継ぎを通じてダメージを最小限に抑えることが可能です。

人が辞めることは避けられない現実ですが、辞め方や辞める前の備えによって、組織の強さは大きく左右されます。

日々のコミュニケーションと引き継ぎ設計で、いざに備えましょう。

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この記事を書いた人

国立大学の経済学部を卒業後、新卒で商社に入社し人事を担当。
その後、人材企業⇛コンサルティングファームにて一貫して人事に関わる業務をする傍らHikitsugi-assistを運営しています。

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