はじめに
近年、日本では男性の育児休業(育休)取得を促進する動きが強まっています。厚生労働省の「令和5年度雇用均等基本調査」によると、2023年の男性育休取得率は30.1%(令和4年度の17.13%から大幅上昇)と、政府の支援策が一定の効果を上げていることが分かります。一方で、政府が掲げる目標「2025年までに50%」にはまだ届いておらず、さらなる推進が求められています。
育休制度自体は整備されつつあるものの、職場の理解や企業文化の変革が課題となっています。本記事では、男性育休取得率をさらに向上させるための政府の支援策や企業の取り組みを解説し、取得を促進するためのポイントを考察します。
参照:厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」
1. 男性育休取得率が低い理由
✅ 職場の理解不足と文化的要因
→ 男性の育休取得が「当たり前」となっていない企業が多く、職場の雰囲気が取得を妨げる要因になっている。特に中小企業では「男性が休むと仕事が回らない」という懸念が根強い。
✅ 取得後のキャリアへの影響を懸念
→ 「育休を取得すると昇進に影響するのではないか?」という不安がある。特に管理職候補やリーダー層の男性は、育休取得をためらう傾向が強い。
✅ 育休中の収入減少
→ 育児休業給付金はあるものの、通常の給与の100%ではなく、一定期間を過ぎると支給率が下がるため、家計の影響を懸念する人が多い。
💡 男性が育休を取得しやすい社会を実現するには、企業の文化・キャリア支援・経済的支援の3つがカギ!
2. 政府の支援策
✅ 育児・介護休業法の改正
→ 2022年の改正で「産後パパ育休(出生時育児休業)」が導入され、子どもが生まれてから8週間以内に最大4週間の休業を2回に分けて取得可能となった。従来の育休と併用することで、柔軟な取得が可能になっている。
✅ 育児休業給付金の拡充
→ 育児休業中の所得補償として、180日までは**給与の67%**が支給され、その後は50%となる。ただし、2025年以降、育休取得率を向上させるため、給付率のさらなる引き上げや、支給期間の延長が検討されている。
✅ 企業への義務付け強化
→ 男性従業員への育休取得意向の確認が義務化され、企業は従業員一人ひとりに育休取得の意向を尋ねる必要がある。また、取得しやすい職場環境を整備するよう指導が行われており、違反する企業には指導が入ることもある。
✅ 中小企業向けの助成金
→ 「両立支援等助成金」により、男性育休取得者が出た企業に対し、以下の助成金が支給される。
- 出生時育児休業コース:男性社員が育休を取得した場合、企業に対して最大60万円の助成
- 育休取得時の代替要員確保支援:育休取得者の代替要員を雇用した場合、人件費の一部補助
✅ 企業への評価・報奨制度
→ 政府は育休取得に積極的な企業を評価するため「プラチナくるみん認定制度」を運用している。これは、一定の基準を満たした企業に与えられる認定制度で、企業の社会的評価向上につながる。
✅ 働き方改革との連携
→ 政府は「働き方改革」の一環として、男性が育児に関わりやすい環境を整備する施策を進めている。例えば、時短勤務・フレックス勤務・リモートワークの推奨などが挙げられる。これにより、育休後のスムーズな復帰が可能になり、企業も柔軟な働き方を導入しやすくなっている。
💡 法改正・助成金・企業評価制度・働き方改革を組み合わせた多角的な支援が進められている!
参照:厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」
3. 企業ができる取り組み
✅ 男性育休取得のロールモデルを作る
→ 育休を取得した先輩社員の事例を社内で共有することで、取得へのハードルを下げる。
✅ 代替人員の確保と業務分担の最適化
→ 育休取得者の業務を効率的にカバーする体制を整えることで、取得がしやすくなる。
✅ リモートワークやフレックス制度の活用
→ 育休取得後のスムーズな復帰を支援し、仕事と育児の両立を図る。
✅ 上司の意識改革と評価制度の見直し
→ 育休取得をキャリアの妨げとしない評価体制を確立する。
4. 取得率UPのために個人ができること
✅ 早めに職場と相談する
→ 事前に相談することで、業務調整や周囲の理解を得やすくなる。
✅ 会社の育休制度を確認する
→ 企業独自の制度や助成金の有無を事前に把握し、活用する。
✅ 家庭内での役割分担を話し合う
→ パートナーと計画的に育児を分担し、育休を有意義に過ごす。
5. まとめ
男性育休の取得が当たり前となる社会の実現には、政府・企業・個人の三位一体の取り組みが求められています。
今後も育休制度の改善や職場環境の変革が進められることが期待されます。
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