「聞いたはずなのに、うまくできなかった」 「やる気はあったけど、伝わらなかった」 「本当は聞きたかったけど、聞けなかった」
そんな“Z世代新卒あるある”とも言える引継ぎのつまずき。この記事では、4つのストーリーを通じて、Z世代新卒がどんな風に引継ぎで悩み、どうやって乗り越えていったのかをお届けします。
現場で語られることの少ない“引継ぎの裏側”には、多くの不安と葛藤、そして小さな成長の兆しがあります。だからこそ、新卒自身にも、彼らを支える先輩にも知ってほしい——それがこの記事の目的です。

怖くて聞けなかった——でも、聞けばよかったと思った日
入社2週目。営業事務のAさんは、見よう見まねで引継ぎノートをもとに作業していた。
「あれ、これって本当にこのやり方で合ってるのかな……?」
何度も確認しようと思ったけど、先輩はいつも忙しそうで声をかけられなかった。結果、入力ミスが発覚し、全社に修正メールを送るハメに。
落ち込むAさんに先輩が言ったのは、
「なんで聞かなかったの? 聞かれる方が、安心できるよ」
その言葉に、Aさんは涙が出るほどうれしかったという。
“聞くのが怖い”——その気持ちは決して悪くない。 でも、相手にとっても「聞いてくれた方が助かる」ことを知るだけで、次に進む勇気になる。
Z世代の新卒にとって、「相手の手を止めてしまうのが申し訳ない」という思い込みは根強いもの。でも、仕事は一人で完結するものではありません。聞くことが“迷惑”ではなく、“信頼を築く行動”だという価値観の転換が必要です。

やる気が“ないように見えた”だけだった日
新卒のBくんは、引継ぎ中にずっと黙っていた。
メモはとっているし、話も聞いている。けれど「反応が薄い」と言われて、ある日上司に呼ばれた。
「やる気ないなら、別の担当にするけど?」
Bくんはショックだった。実は、初めての業務で頭がいっぱいだっただけ。とにかくミスしないように、慎重に聞いていただけだった。
数日後、先輩からこう声をかけられた。
「Bくん、ちょっとずつ声に出して確認してみたら? わからないとこ、一緒に整理しよう」
その日から、Bくんは少しずつ自分の言葉で話すようになった。
「やる気がないように見える」Z世代の多くは、“間違えたくない”という想いが強いだけだったりする。
反応が薄い=やる気がない、という決めつけはとても危険です。Z世代の多くは「失敗したくない」思いが強く、慎重すぎて逆に動けなくなっているケースも少なくありません。上司や先輩は、“話すきっかけ”をこちらから与えるだけで、新卒の行動が大きく変わることがあります。
「聞くのは申し訳ない」が口ぐせの新人へ
新卒のCさんは、引継ぎ中に何度も「すみません、何度も聞いて」と前置きをしていた。
そのたびに、先輩は「いいよ」と言ってくれていたけど、Cさんの中では“質問は迷惑”という思い込みが根強かった。
そんなCさんに、ある日、先輩がこう言った。
「あなたが聞いてくれるおかげで、私も確認になる。聞いてくれてありがとう」
Cさんはハッとした。
“質問=申し訳ないこと”ではない。質問は、相手を助けることでもある。
Z世代は、対面での会話や質問に強い緊張を感じる傾向があります。LINEやDMなど非同期コミュニケーションに慣れているからこそ、「その場で聞く」ことに勇気が必要。でも、「聞いていい空気」を作ってあげるだけで、Z世代のポテンシャルは一気に引き出されるのです。

自分に合った“引継ぎスタイル”を見つけるまでの3ヶ月
新卒のDさんは、最初の1ヶ月、引継ぎが本当に苦手だった。
- 一度にたくさん言われると混乱する
- メモは取ってるのに、見返すとわからない
- 質問したいけど、何がわからないのかすら分からない
そんなとき、Dさんが始めたのは「1日1トピックだけ復習する」習慣だった。
朝、昨日言われたことを1つだけまとめる。わからない部分だけ聞く。少しずつ、自分の“わかる”を積み重ねていった。
3ヶ月後、Dさんは後輩に「この部分は、こうやると分かりやすいよ」とアドバイスしていた。
自分に合ったペースで、“自分なりの引継ぎスタイル”を作っていくこと。それがZ世代の新卒にとって、いちばん大事な学び方かもしれない。
Z世代の特徴は「正解を求めがち」で「完璧主義になりやすい」ところ。でも、仕事に“唯一の正解”はありません。だからこそ、自分に合ったやり方を模索し、調整しながら学ぶ力が必要なのです。

最後に:Z世代の新卒と引継ぎの“リアル”を知る
Z世代の新卒社員たちは、けっして「やる気がない」「聞く気がない」わけじゃありません。
- 失敗したくないから慎重になる
- 空気を読みすぎて声を出せない
- 情報が多すぎて、頭が追いつかない
そんな“不器用な優しさ”と“慎重さ”の中で、少しずつ仕事を覚えていきます。
今の新卒世代に必要なのは、「やり方を教えること」だけでなく、“安心して学べる空気”と“その人に合ったペース”で関われる引継ぎです。
Z世代とともに働く現場が、少しでも優しい場所になるように。この記事が、新卒自身や、彼らを育てる先輩たちのヒントになりますように。

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