「引き継ぎをやらなくてもいい職場」をなくす!行動経済学で考える仕組み化戦略

目次

はじめに

職場での引き継ぎがスムーズに行われないと、業務の停滞や属人化が発生し、組織全体の生産性が低下します。しかし、多くの人は「引き継ぎが面倒」「どうせ引き継ぎしても意味がない」と考えてしまいがちです。

この問題を解決するには、行動経済学のインセンティブ設計や習慣形成(ハビットフォーメーション)の視点を取り入れることが有効です。本記事では、「どうすれば引き継ぎが自然に行われる環境を作れるか?」を、行動経済学の観点から解説します。


インセンティブ設計:引き継ぎをやる気にさせる仕組み

行動経済学では、人が行動を起こすためには「適切なインセンティブ(動機付け)」が重要とされています。

外発的インセンティブ:報酬を与える

人は報酬があると、積極的に行動する傾向があります。企業側は、引き継ぎを適切に行った社員に具体的なメリットを提供することで、行動を促進できます。

引き継ぎ完了ボーナス

  • 「引き継ぎチェックリストを完了したら、退職金を上乗せする」
  • 「引き継ぎマニュアルを作成した社員を表彰する」

リファレンスの保証

  • 「適切な引き継ぎを行った退職者には、推薦状を提供する」
  • 「退職者ネットワーク(アルムナイ)に登録し、将来のキャリアに活用できる仕組みを作る」

内発的インセンティブ:やる気を引き出す

報酬だけでなく、人は「自分の行動が価値あるものだ」と感じると、自然に行動を起こします。

「引き継ぎ=貢献」だと認識させる

  • 「後任のため」ではなく、「あなたの知識が会社の財産になる」と伝える
  • 「〇〇さんの業務マニュアルが今後のスタンダードになります」と意識づける

「ストーリー」を持たせる

  • 「これまでの担当者もこうやって引き継いできた」と伝え、伝統を意識させる
  • 退職者の成功事例(「〇〇さんの引き継ぎがあったおかげで、後任者がスムーズに活躍できました」)を社内で共有する

習慣形成(ハビットフォーメーション):引き継ぎを当たり前にする

人間は「習慣になっていること」については、抵抗なく行動をとる傾向があります。そのため、「引き継ぎは特別なこと」ではなく「日常の一部」にすることが重要です。

日常業務の一部にする

悪い例:退職が決まったら、急にマニュアル作成を求める → 「今さらやれと言われても…」と抵抗感が生まれる

良い例:普段から引き継ぎの準備を進める「業務ノートをつける文化を作る」

  • 毎日の業務で「業務記録」を簡単に残す(Hikitsugi Assistなどのツールを活用)
  • 週1回「業務の気づき」を記録し、チーム内で共有する

「引き継ぎシミュレーション」を定期的に実施

  • 3か月に1回、チーム内で業務をシャッフルし、他の人が同じ業務をできるか試す
  • これにより、属人化を防ぎ、いつでもスムーズに引き継げる体制を整える

ゲーミフィケーションを活用する

ポイント制度の導入

  • 「引き継ぎチェックリストをクリアするごとにポイントが貯まり、福利厚生と交換できる」
  • 「業務マニュアルの改善に貢献すると、社内評価にプラス」

ランキング形式で見える化

  • 「最も分かりやすい引き継ぎマニュアルを作成した人を表彰」
  • 「後任者からのフィードバックが良かった引き継ぎ事例を社内で共有」

環境デザイン(Choice Architecture):引き継ぎを自然に促す

行動経済学では、人が自然に望ましい行動を取れるようにするための「環境デザイン(Choice Architecture)」が重要とされています。

「デフォルト設定」を変える

  • 「退職手続きには、引き継ぎ完了の証明が必要」とルール化する
  • 「引き継ぎが未完了の場合、最終給与の振り込みが遅れる仕組みにする」

「簡単にできる選択肢」を用意する

  • Hikitsugi Assistのようなツールを活用し、「ボタン1つで業務マニュアルが作成できる」仕組みを導入する
  • テンプレートを提供し、フォーマットに沿って埋めるだけで簡単に引き継げるようにする

「フィードバックをすぐに得られる」仕組みを作る

  • 後任者が「引き継ぎの内容が分かりやすかったか」を評価するシステムを作り、 そのフィードバックが退職者にも届くようにする

まとめ

引き継ぎを適当に済ませてしまう問題の背景には、「動機づけの欠如」「習慣化の不足」「環境設計の不備」があります。行動経済学の視点から、以下の対策を導入することで、スムーズな引き継ぎを実現できます。

  • インセンティブ設計:「報酬」や「感謝」を活用し、引き継ぎをやる気にさせる
  • 習慣形成(ハビットフォーメーション):「普段から引き継ぎを準備する」文化を作る
  • 環境デザイン(Choice Architecture):「自然と引き継ぎをする流れを作る」

特にツールを活用し、 「簡単に、自然と、引き継ぎが行われる環境」を整えることで、企業全体の生産性向上につながります。

引き継ぎを「やらなければならないもの」から「やるのが当たり前のもの」に変えていきましょう!

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この記事を書いた人

国立大学の経済学部を卒業後、新卒で商社に入社し人事を担当。
その後、人材企業⇛コンサルティングファームにて一貫して人事に関わる業務をする傍らHikitsugi-assistを運営しています。

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