新卒として働き始めてすぐの頃、誰もが経験するのが「引継ぎ」の場面。先輩から業務の流れやツールの使い方を教えてもらう時間は、これから社会人として一歩踏み出すうえで欠かせないプロセスです。
でも最近、こんな感覚ありませんか?
- 「説明、早すぎる…」
- 「言ってた内容、すぐ忘れてしまう」
- 「もう1回聞きたいけど時間がない」
そして心の中では、
「私、飲み込み悪いかも…」
と落ち込んでしまう。
それ、実はあなたのせいじゃありません。 TikTok、YouTube Shorts、1.5倍速の動画——私たちはいま、“秒で理解する文化”にどっぷり浸かっています。
でも、引継ぎは「秒で分かる」ものではないし、むしろそうであってはいけないのです。
情報を“速く消費”することに慣れすぎていない?
今の時代、情報はすべて「短く」「速く」「簡単に」届けられるようになっています。
- TikTok:15秒でオチがある
- YouTube:5秒見てつまらなければスキップ
- SNS:140文字にエッセンスを詰め込む
そんな情報環境の中で生きていると、「仕事の説明」も“すぐ分かるもの”だと思ってしまいます。
でも、引継ぎはそうじゃない。
- 背景がある
- 関係者が複数いる
- 判断に迷う場面がある
「1回聞いたらすぐ覚える」なんて、むしろ異常です。
また、コンテンツの多くは“受け身”で楽しむもの。一方で、引継ぎは“能動的に取りにいく”必要があるという大きな違いがあります。そこにギャップを感じるのは、むしろ自然なことです。
引継ぎに必要なのは“速さ”より“積み重ね”
引継ぎで本当に必要なのは、以下の3つです。
- 何度も繰り返して聞くこと
- 自分の言葉に置き換えて理解すること
- 実際にやってみて初めて身につくこと
つまり、時間をかけてじっくり覚えることが正解なんです。
たとえば最初はメモを見ないとできなかった作業が、1週間後には自然と手が動いていた。そういう成長のほうが、ずっと価値があります。
焦って速く覚えることにこだわるよりも、「昨日の自分より少し理解が深まったか」を大切にしましょう。学習は、点じゃなくて線で積み上がるものです。
「わかってないかも」と思ったらやるべきこと
TikTokのスワイプとは違い、引継ぎは“自分から深掘る”作業です。
焦って「分かったフリ」する前に、次のようなアクションを取ってみましょう。
- 「今の説明って、こういう理解で合ってますか?」と確認する
- 自分なりの言葉で、説明をノートに書き直してみる
- 翌日にもう一度「昨日の件、念のため確認させてください」と復習する
「わかっていないことに気づく力」は、社会人として一番重要なスキルとも言われています。むしろ、“わかってない”ことに自覚的な人は伸びる人材です。
「ちゃんと理解してから行動する」ことの価値
世の中には「とりあえずやって覚えろ」型の職場文化もありますが、すべての仕事がそうではありません。特に、
- 他部署と関わる調整系の仕事
- 顧客とのやり取りが発生する業務
- データ処理や報告書作成などの正確性が求められる業務
こうした仕事では、「ちゃんと理解してから動く」ことがとても大切です。
時間をかけて理解した内容は、応用がききますし、後輩やチームへの共有にもつながります。引継ぎの理解は「今この瞬間だけ」じゃなく、未来の自分の武器になります。
SNS文化と仕事は“スピード感の軸”が違う
TikTokやX(旧Twitter)では、情報が早く、端的に、テンポよく伝わることが評価されます。
一方で、仕事ではむしろ
- 正確さ
- 全体の理解
- 関係者の意図
といった「文脈」を大事にする姿勢が求められます。
たとえばTikTokは“見てすぐ判断”ができるけど、仕事は“聞いて、整理して、行動して、振り返って”ようやく1サイクル。そのスピード感のギャップを正しく認識するだけでも、気持ちはだいぶ楽になります。

焦らなくていい。あなたのペースで大丈夫
「秒で分かる」は、あくまでエンタメの世界の話。
仕事は、じっくり、丁寧に、積み重ねていくものです。
新卒のうちは“できない自分”に焦るかもしれません。でも、引継ぎでちゃんと理解しようとするその姿勢が、信頼される社員になる第一歩です。
何度聞いてもいい。忘れてもいい。
焦る必要なんて、どこにもないんです。
最後に:TikTok脳のままじゃもったいない
私たちは、たくさんのコンテンツに囲まれて生きています。
でも、そのスピード感に慣れすぎると、「ゆっくり学ぶ力」が失われてしまう。
引継ぎは、ゆっくり学ぶことの大切さを思い出させてくれる機会です。
焦らず、自分のペースで。
それが、いちばんの近道です。
自分の理解のリズムを大切に。あなたの仕事人生は、15秒じゃ測れません。

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