退職前有給消化中の健康診断は受けるべき?退職前に知っておきたい会社と従業員のルール

目次

はじめに

「退職が決まったら有給消化に入る予定だけど、健康診断って受けないといけないの?」
そんな疑問を持つ方は多いです。
特に、有給消化中はすでに出社していないので「わざわざ会社の健康診断に行く意味があるの?」と思ってしまうのも無理はありません。
本記事では、法律上のルール会社・従業員双方の実情を踏まえて、有給消化中の健康診断の必要性をわかりやすくまとめます。
トラブルなく円満退職を迎えるために、ぜひ参考にしてください。


有給消化中でも健康診断を受ける必要があるの?

そもそも健康診断の義務は誰にある?

会社員として働いている場合、年に一度の定期健康診断は会社に実施義務があると法律で決められています(労働安全衛生法66条)。
ただし、健康診断を受ける義務は従業員側にもあり、会社が指示したときは正当な理由がない限り受診が求められます。


法律上の立場:労働安全衛生法での「在籍中」の扱い

有給休暇を使っている期間も「在籍中」の扱いなので、法的には健康診断を受ける義務は残っています。
そのため、会社から「有給消化中だけど健康診断を受けてほしい」と言われた場合、基本的には応じるのが原則です。


受診しなかった場合の影響は?

もし受診しなかったとしても、罰則があるわけではありません。
ただ、会社としては法令遵守のために実施記録を残す必要があるので、
「健康診断を断られた」形になると担当者に負担をかける可能性もあります。
円満退職を望むなら、できる限り調整して受けるのが望ましいでしょう。


会社が健康診断を勧めてくる理由

企業側の法的義務(安衛法66条)

会社は従業員の健康管理を行う法的責任があります。
「健康診断の実施」と「結果を保存すること」が義務づけられているため、
退職が決まっていても「在籍中」である限りは記録を残さなければなりません。


労災リスク・後日のトラブル回避のため

健康診断を実施しないと、のちに「健康被害があったのに会社が検査しなかった」とトラブルになるケースもあります。
企業が慎重になるのは、こうした労災認定のリスクを回避するためです。


健康管理の記録として必要な場合も

従業員の健康状態を正しく把握することは、会社の安全配慮義務にも関わります。
実施した記録がなければ、会社の責任が問われる可能性もあるため、
会社としては有給消化中でも受けてもらいたいと考えるのが一般的です。


退職日と健康診断のタイミングの関係

有給消化で出社しない期間に受けるケース

「もう会社に行かないから受診できない」と思っても、健康診断は通常、外部の提携医療機関で受けることが多いです。
そのため、会社に行かなくても指定されたクリニックで受診すればOKです。


健康診断を断ることはできる?

法的には正当な理由があれば断ることも可能です。
たとえば、「体調が悪い」「遠方に引っ越している」などは一例です。
ただ、可能であれば担当者に相談して代替日を決めるなど、誠意を持った対応がおすすめです。


退職日が先か、健康診断が先かで変わるポイント

もし退職日が過ぎれば、もう健康診断の義務はありません。
「有給消化が終わる日=退職日」となるため、それ以降は受診不要です。
退職日が先に確定している場合は、スケジュールを確認しておきましょう。


健康診断を受ける場合の費用負担は?

原則は会社負担でOK?

法律で義務づけられている定期健康診断の場合、基本的に費用は会社負担です。
従業員が立て替える必要はありません。


オプション検査を受けた場合の注意点

バリウム検査などの基本項目以外に、任意のオプションを追加した場合は、
その部分だけ自己負担になるケースがあります。
受診時にしっかり確認しておきましょう。


費用トラブルになりやすいケース

・退職間近で健康診断が外注クリニックになる場合
・前払い後に精算が忘れられる場合
などは費用の持ち出しが発生しやすいです。
領収書を保管しておくと安心です。


受けないとどうなる?実際のリスクと現実的な対応

法的な罰則は?

従業員が受けなくても罰則が科されるわけではありません。
ただし会社の管理責任に影響するため、再三の依頼を断るのは慎重に判断しましょう。


退職後に問題になる可能性

健康診断の結果は労災認定や健康保険のトラブルに使われることがあります。
「受けなかったせいで手続きが複雑化した」という事例もゼロではありません。


体調に不安があれば自費での検査も検討を

もし「健康診断は受けないが不安はある」という場合、退職後に自費で健康診断を受けておくのも一つの手です。
健康管理は何より自分のためです。


よくあるQ&Aまとめ

Q. 有給消化中だから行きたくないけど大丈夫?
A. 法的には在籍中なので、原則は受ける必要があります。どうしても無理なら担当者に相談を。

Q. 健康診断を断るときの伝え方は?
A. 体調不良、遠方在住などの事情を誠実に伝えましょう。証拠としてメールに残すのも一案。

Q. 診断結果はどこに送られる?
A. 会社の健康管理部署に送付され、従業員にも控えが渡されるのが一般的です。

Q. 必ず行かないといけない?
A. 罰則はないですが、円満退職を目指すなら調整して受けるのが無難です。


まとめ|円満退職のために大事なポイント

有給消化中の健康診断は、会社の法的義務と従業員の義務が絡む微妙な問題です。
一度きりのことだからこそ、担当者と相談して納得できる形で進めることが大切です。
不明点があれば社労士や専門家に相談するのもおすすめです。


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この記事を書いた人

国立大学の経済学部を卒業後、新卒で商社に入社し人事を担当。
その後、人材企業⇛コンサルティングファームにて一貫して人事に関わる業務をする傍らHikitsugi-assistを運営しています。

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